■乳歯の虫歯の特徴
①虫歯の進行が早い
歯の表面は硬いエナメル質でおおわれていますが、乳歯のエナメル質は大人の半分しかないので虫歯の進行が早いのです。エナメル質の下の柔らかい象牙質まで入ると虫歯は一気に広がってしまいます。
また、乳歯は神経が大きく、エナメル質と象牙質の厚みが薄いために、虫歯になるとすぐに神経まで進行してしまいます。
②虫歯に気づきにくい
子どもはまだ痛みの感覚がしっかりと発達していないため、虫歯があっても痛みが出にくく、虫歯と気づかず大きく進行してしまいがちです。
また、乳歯の虫歯は白いことが多く、黒い虫歯と違い気づきにくい原因になっています。
③歯と歯の間にできやすい
乳歯の虫歯がよくできるところは奥歯の歯と歯の間で、見た目にはよくわかりづらく、虫歯が進行しても気づくのが遅れ、突然穴が開いてしまいます。奥歯の歯と歯の間は、デンタルフロスを使わないと汚れが残り、虫歯の原因になります。
■乳歯の虫歯は歯並びを悪くする?
虫歯が大きくなり乳歯を早く抜くことになってしまうと、両隣の歯が倒れてきてしまい、永久歯が生えるスペースがなくなってしまいます。生えることができても、内側や外側にはみ出してしまい、歯並びが悪くなってしまう原因になります。
■虫歯と生活習慣について
生活習慣は虫歯の予防にとても大切です。
歯はつねに、虫歯菌により歯が溶ける脱灰と、唾液やフッ素により歯が硬くなる再石灰化を繰り返しています。
このバランスが崩れて、歯が溶ける状態が続くと穴が開いて虫歯になります。
虫歯菌が酸を作るには糖分が必要です。甘いものをだらだら食べていたりすると、虫歯菌が酸を作り続けることになりますから、食事の時間やおやつの時間など食べる時間もきっちり決め規則正しい食生活をするように心がけましょう。
■仕上げ磨きが重要
子供の虫歯は痛みが出にくいので、虫歯が進行してやっと気づくということも多いです。
毎日仕上げ磨きをすることで、虫歯の予防ができ、もし虫歯ができてしまった時も早期に気付いてあげることができます。子供が上手に磨けるようになるまで、少なくとも小学校低学年までは仕上げ磨きをしてあげると良いでしょう。
■乳歯の虫歯の治療
小さい虫歯の治療は、神経に虫歯が進行する前に虫歯を削ってプラスチックで詰めていく治療や、型取りして銀歯を詰める治療をします。
しかし、まだ年齢が小さすぎて、歯科治療をしっかりできない場合もあります。その場合は、濃度の高いフッ素を定期的に塗ることで虫歯の進行を抑えていきます。